三国志経営論

三国志は個人と組織の経営の参考になる

これまで問題解決、マネジメント、戦略など個別のカテゴリーを主に東洋思想とATOOSの考えをもとに説明してきました。今回はそれらのまとめとして三国志をもとに経営を説明していきたいと思います。

ご存知の通りに三国志は中国で生まれたものでありますが、長い間、世界中のベストセラーとなっております。現代では読破した人は少なくなってきたかも知れませんが、名前を知っている、出来るならば読んでみたい思う方は多いのではないかと思います。

今回で取り上げる三国志演義は三国志正史と異なりフィクションの部分が多くなっています。しかし、その分読み手を感動させるとともに様々な示唆を与えてくれます。この後の説明では三国志演義を三国志と略させていただきます。

三国志は魏蜀呉の三国の戦国史です。日本でも戦国時代は他の時代より人気が高いのですが、それは混沌の時代だからこそ人間の欲求や葛藤、野心や目標達成が現れ人間を魅了します。

日本も長い間米国を中心とした資本主義の統一期から中国との戦国期に入ろうとしています。今こそ三国志の歴史に学び自分や会社の経営に生かすべき時かと思います。

三国志の中心人物

ここで三国志の中で注目するのは、劉備、関羽、張飛と諸葛孔明です。その他に曹操、孫権、袁紹、呂布、董卓など様々な登場人物が出てきますがここでは絞って説明したいと思います。

劉備は景帝の玄孫ですがその後落ちぶれて草履売りをやっていました。偶然通りかかったのが田畑を持ち商いをしながら天下の豪傑との交流を求めていたのが張飛でした。当時、賊が国中を荒らしまくっていたので討伐を目的に意気投合しました。そこに現れたのがやはり賊討伐に参加しようとやってきたのは見たからに巨漢で豪傑な関羽でした。3人は鉄の結束で強い結びつきができます。

しばらく経った後に3人だけでは天下を取ることができないと悟り自分たちにない高い戦略性を持った人材を探しそこでようやくに出会えたのが諸葛孔明でした。中国でもこの3人は人気があるようです。特に関羽と諸葛孔明の人気は今でも絶大です。

この他に多くの登場人物が三国志には出てきます。様々なキャラクターが出てきますが、それぞれが個性的で読み手が誰かを好きになったり感情移入すると思います。ここではほんの一部しか紹介できませんので、改めて書籍を読まれることをお勧めいたします。

なぜ三国志は経営の役に立つのか

三国志は戦国期の物語であるために登場人物たちの競争の物語でもあります。登場人物が全国統一の夢をみながら自分の強みをいかし、時には相手を欺きます。この戦略も孫子の兵法が基礎にあります。強者はその強みをいかした戦略を立てて実行し、弱者は奇策で強者に対抗しようとします。つまり、別のところで説明した孫子の兵法が三国志の中で実践されているのです。

儒学の影響を受けた三国志

三国志は中国史の中では三国時代であり、儒学の孔子はそれを遡ること700年前の春秋時代に登場します。三国志は後の明の時代に作られているので儒学の影響を受けています。

ただ、樹木の蔭に、一宇の古い孔子廟があった。 劉備は、近づいて、廟にぬかずきながら、「そうだ、孔子、今から七百年前に、魯の国(山東省)に生れて、世の乱れを正し、今に至るまで、こうして人の心に生き、人の魂を救っている。人間の偉大を証拠だてたお方だ。その孔子は文を以て、世に立ったが、わしは武を以て、民を救おう──。今のように黄魔鬼畜の跳梁にまかせている暗黒な世には、文を布く前に、武を以て、地上に平和をたてるしかない」 多感な劉備青年は、あたりに人がいないとのみ思っていたので、孔子廟へ向って、誓いを立てるように、思わず情熱的な声を放って云った。(吉川英治著三国志)

儒学の影響を受けるということは仁義礼智信の五常に影響を受けるということです。

五常は論語マネジメントで説明していますのでここでは説明を省きますが、価値観が儒学から影響を受けることによって登場人物の栄枯盛衰が五常を通して理解をすることによって受け取り方が違ってきます。

しかし、五常の実践が成功するとは限らない。時にはそのことにより過ちを起こすこともあります。経営は理想だけでは成功しない。しかし、理念のない行動で成功しても人間性の完成にはたどり着かない。これこそが三国志を取り上げる理由であります。

最後に

今回は応用方法のところでは経営の中で実施される戦術としての三十六計を三回に分けてご紹介していきます。