常為兵感驚楽

コンテンツを世の中に提供するためには、どのように提供すればいいかを考える必要があります。しかも、世の中の変化に適応した作戦を立てないとニーズとウォンツがズレてしまいせっかくの投資がすべてムダになってしまうことがあります。だからしっかりとした「適応戦略」を立てて臨んでいくのです。

ATOOSでは「適応戦略」として、常為兵感驚楽をもとに行動します。兵法三十六計から無常、無為、無兵を参考にアレンジしました。オリジナルで有感、有驚、有楽の3つを加えました。それぞれの一文字づつを合わせて6つの要素をまとめたものですが、この戦略を用いることでブレなく行動できると考えています。

個人であれ企業であれ「環境適応」していくことが成功の第一歩です。そのためには、市場の変化を自らの行動に組み入れていきます。この当たり前と思うことができない時があります。例えば、こだわりが強すぎたり、行きがかり上、後に引けなくなった状態の時です。

ある高級志向の小売店が景気の良い時に大量出店しました。富裕層の高齢者向け婦人服です。老舗のブランドではなく新興ブランドです。品質は高く老舗ブランドにはない新たなデザインも挑戦しています。しかしリーマンショック以降、客足が減りその後も客足が戻ってきません。さてあなたならどうすべきでしょうか?

ここで考えることは内側とと外側の環境の変化を考えることです。内側の変化は国内市場です。国内市場の富裕層高齢者は年金などの安定収入がある一方で、投資資産の目減りが大きく市場の成長は期待できません。外側の市場は、原発事故の影響で観光客が減少したものの徐々に戻りつつあります。中国国内では土地への投資が規制されているため行き場のないお金がまだ消費者の手あるのです。このように考えると国内中心の大量出店をスクラップ&ビルドを行い適所に出店を見直す必要があります。

無常とは、常に変化を前提に安定しているものなどないという前提に行動することです。

考え過ぎず行動重視の姿勢を持つことです。失敗の原因を大きく2つに分けると考えずに行動し同じ過ちを繰り返している。または、考え過ぎて行動できずチャンスを見逃しているに分かれます。ただし、現在の変化のスピードは速く考え過ぎて行動できない方がデメリットが大きいと考えます。

特に保守的な考え方が多い現在の日本では、「安定することを強く望んでいる人が多い」のが特徴です。学生は大企業や公務員を目指し、サラリーマンはリスクを恐れ、自営業者はFCに加盟する。すべて、裏側にある欲求は「安定」です。その結果、多くの人が同じ考えを持つから競争が激化するのです。しかも、リスクを考え過ぎて身動きできずにいるケースが圧倒的に多いのです。

コンサルティングの世界でも無定見にハヤリものを追いかける者。自身の構築した考えに拘泥する者。様々なパターンがあります。バランスが必要ですがあまりにも自分の考えに縛られて無常であることを忘れてしまうのでは我欲としか言いようがありません。

ここで言う無為とは、考え過ぎず行動を通して作り上げることです。

無駄な投資を抑えて目標に向かうことが必要です。不況に陥り問題になるのは借り入れが返済できずに苦しむことです。不況でも生き残っているところは、借り入れがないか少ないといった条件が備わっています。企業も生命体と同じですから資金がショートしてしまい倒産してしまっては、その存在は終わりです。

もちろん、投資が必ず必要なケースはあります。お店を作ったり、事務所を開設したり、事業に投資をするのは当然です。ただし、それはスタート台に立っただけです。成功した訳ではありません。ライフサイクルの導入期に入ってこれから成長期、成熟期、衰退期に向かうのです。

「そんなことは分かっている!投資をするから周りはそのビジネスを認め集まってくるのだから初めから投資を抑えるなんて考えられない。」という反論が聞こえてきそうです。しかし、それも工夫してなるべく抑えていくことが重要であると考えます。

ステーキハウスの「けん」は、ご存知の方も多いと思いますがローコストで出店する戦略を行っています。前に移転したり倒産したお店を居抜きで最小限の改装で出店しています。人は「ハイエナ商法」とも揶揄します。しかし、私は素晴らしい戦略だと思います。あるものを生かし、雇用を創出し、お客様を招く。素晴らしいではありませんか。

ここで言う無兵とは、投資は工夫しビジネスを殺してはいけないことです。

無常、無為、無兵は、やってはいけないという戦略ですがこの後は行うべき戦略です。

感覚、感性に訴えかけるビジネスを心がけることが重要です。左脳で考えてしまうとこの点が弱くなります。新たな成功しているビジネスの共通点は、この「感」が備わっています。左脳ビジネスの限界が露呈してきているのかもしれません。右脳や感情に訴えかけ多くの人とつながり支持されるものが残っていくでしょう。

震災以降、「絆」というキーワードが浮かび上がってきました。これまで個人主義を進んできた我々にとっては、他人が情報化、モノ化して見えていましたが生身の人間だと気づかされる大きなきっかけとなったのです。

NPOでパラレルワークで自己実現している人が多くなりました。決してビジネスで自己実現を諦めている訳ではありません。ビジネスで培ったスキルやノウハウをNPOの公共の利益の中で発揮できることを通して自己実現を感じているのでしょう。「自分探し」というモラトリアムな状態ではなくきちんと地に足が着いているのです。

有感は、人間に備わっている感じるという機能を最大限に生かすということです。

驚きは、イノベーションの発火点であり新たなチャンスを生みます。これまでは、AIDMA理論に代表されるように段階的に行動へと導かれていきましたが、現在は「驚き」「行動」「熱狂」のごく短いステップが繰り返されています。もちろん、「行動」の後にフィーリングを満たすものではないと「熱狂」へは導かれません。

iPhoneやFacebookは、瞬く間に大衆へ広まっていきました。革新を驚きをもって人々は受け入れ、購入や登録を行動で示し、熱狂した人々は友人を誘ったりサイトや口コミで感動を伝えました。多くのコンテンツや商品は最初の驚きを作ることができないのです。キャズムは「驚」にあります。

これまでのお客様満足は、満足というお客様からの評価を得るためのものでした。しかし、継続的に満足を得るためには提供する商品やサービスの質を上げていかないと満足度は下がってしまいます。それに答えるために努力をするのですが喜びが伴わないために継続できないでいるところが多いのです。CSはCD(カスタマーデライト)に変わっていきます。驚きを与えることができるから感動があるのです。

有驚は、創造力をもってお客様を熱狂へと導いていくこと。

ポジティブな行動を促すために楽しさを演出することです。これまで楽しさは、お客様へ演出するものであり、内部に対しては関係がないものとして考えられてきましたが。これからはすべてに楽しさがないとうまくいかなくなってきたのです。

モチベーション理論をいくら学んで実行しても社員のやる気が上がらない。あるいは、一時的に楽しい雰囲気になっても長続きしない。お客様に喜んでもらうように教育しているのだが、社員が実行できないという経営者や管理者の悩みが多くあります。理由の一つには自身が欠点指摘型のスタイルだったりします。当の本人が楽しんでないのです。

以前のお客様へのレポートのスタイルは、欠点指摘型のスタイルでした。お客様に納得してもらえるのですが継続率がどんどん下がってしまったのです。悩んだあげく、「ここは良い、ここをこうして変えればさらに良くなります」というスタイルに変えました。そうしたら継続率が上がったのです。

有楽は、人や企業の前向きな力を引き出すこと。

時代に適応するための戦略は、時代とともに変えていき常に生きた効力のあるものにしていくことが重要です。常為兵感驚楽はこうしたことは気をつけようという「無」とこういうことは積極的にしていこうという「有」とで構成されています。また実行する上で個々の状況に合わせた調整が必要であるということは言うまでもありません。これから、大分流比因人と常為兵感驚楽に基づいたアドオン・プログラムを開発していきます。興味がある方はそちらの方もご覧ください。