三国志経営による三十六計戦術
解説
三国志演義の中には三十六計の戦術が随所にちりばめられております。様々な君主や軍師や将軍の間で繰り広げられる三十六計の戦術は三国志を面白くしている大きな要因です。
三十六計は既にATOOSで紹介しております孫子と並んで中国の兵法書の一つです。ATOOSでは敵対する相手に対し孫子を戦略とし三十六計を戦術として用いることを推奨としています。
ただし、実践していく上では2つの点を考慮していく必要があります。一つには三十六は計実際の戦争を基に考えられているためにビジネスなどで応用するためには工夫が必要です。二つには三十六計は計略なので日本で露骨に行うと嫌がられるのでこちらも工夫が必要です。しかし、それらを考慮しても必ず効果が期待できるので今回紹介していきます。
三十六計を勝戦計、敵戦計、攻戦計、混戦計、兵戦計、敗戦計の六つに分け今回は勝戦計と敵戦計を紹介します。そして、構成は計の名称、計の概要、三国志の場面、場面の内容、計実施のポイント、ビジネスの事例または応用例、孫子のとの関連という順で紹介していきます。
勝戦計
〇計の名称
一計
瞞天過海
まんてんかかい(天をあざむいて海をわたる)
〇計の概要
普段見慣れている行動を繰り返して油断させ攻撃する。
〇三国志の場面
劉備徐州を譲られる
〇場面の内容
曹操の徐州エン州の戦いで呂布と軍師陳宮は曹操軍が少ないとあなどりが数万の兵をひきいて挑みますが伏兵が姿を現し呂布軍は総崩れとなり徐州に逃げていきました。(曹操)
〇計実施のポイント
この戦術のポイントはこちらの見慣れた行動に相手に慣れさせておいて、こちらの真の行動に打って出ていくことでしょう。
〇ビジネスの事例または応用例
よくあるのは商品パッケージや価格が変わっていないのに内容量が少なくなっているのが当てはまります。
〇孫子のとの関連
攻める時は風のように速く、待っている徳は林のように静かで、侵略するときは火よ用に勢いが良く、守る時は山のように動きません。
その疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し。(孫子軍争篇)
〇計の名称
二計
囲魏救趙
いぎきゅうちょう(ぎをかこんでちょうをすくう)
〇計の概要
敵を分散させて各個撃破する。
〇三国志の場面
烏巣への攻め
〇場面の内容
官渡の戦いの中で曹操は袁紹の補給基地である烏巣を攻めようとします。それを知った袁紹の軍師の郭図と張コウは本陣へ攻めるか補給基地を救援するかで意見が分かれ。結果として両面攻撃は失敗に終わってしまう。
郭図は本陣を攻めればそれを守るために曹操は本陣に戻ると計を考えました。
しかし、曹操は烏巣を攻めることによって袁紹軍を分かつことができました。
〇計実施のポイント
この計のポイントは相手を分かち攻撃することです。どんな大きな相手でも小さく分ければ勝機が見えてきます。逆に自身も安易に分けてはいけないということに繋がります。
〇ビジネスの事例または応用例
応用としては、どんな大きな相手だとしても敵の小さな単位に分け勝機を見出すことです。
〇孫子のとの関連
敵の十倍の戦力ならば敵を囲み、五倍ならば攻め、倍ならば敵を個別に分けて攻撃し、同じ位ならばよく戦い、少なければ逃げ、圧倒的な差であれば避ける。
用兵の方は、十なれば則ちこれを囲み、五なれば則ちこれを攻め、倍なれば則ちこれを分かち、敵すれば則ち能くこれと戦い、少なければ則ちこれを逃れ、若かざれば則ちこれを避く。(孫子謀攻篇)
〇計の名称
三計
借刀殺人
(しょくとうさつじん)かたなをかりてひとをころす
〇計の概要
第三者に敵を攻撃させる。
〇三国志の場面
潼関の戦い
〇場面の内容
潼関の戦いで曹操と馬超・韓遂軍と対峙する馬超は馬騰の子、以前に馬騰は曹操の計略で殺害されており、更に曹操は馬超・韓遂に襲いかかる。曹操は武力で倒せなかったので離間ノ計を用い馬超と韓遂を仲違いさせ攻略しました。
元々これまでしばしば敵対していた馬騰と韓遂は曹操に付け込まれたのです。
〇計実施のポイント
こちらは敵に対して直接的な攻撃は加えず、第三者が敵に攻撃するように仕向けるように行動します。
〇ビジネスの事例または応用例
MicrosoftはFacebookと提携しました。それは両社の競合であるGoogleと対抗するからです。MicrosoftはGoogleとオフィス製品とFacebookはGoogle+と競合状態にあるからです。
〇孫子のとの関連
敵の状態を知り味方の状態を知れば勝利は確実になります。地形やその土地の気候を知れば勝つのに困ることはありません。
彼を知り己を知れば、勝乃ち殆うからず、地を知り天を知れば、勝乃ち窮せず。(孫子地形篇)
〇計の名称
四計
以逸待労
(いいつたいろう)いつをもってろうをまつ
〇計の概要
状況の変化を予測し先んじて敵の疲弊を待ち攻める。
〇三国志の場面
周瑜の蜀攻略の計
〇場面の内容
劉備が荊州を西蜀を治めたら呉に返還する約束をしたのだけれど西蜀の劉璋は劉備の宴席だからといって断るが、ならば呉が攻め平定したら荊州と交換と言い出す。そのため劉備の荊州を通過すると見せかけ攻めるはず。
それを見越しての孔明の策。
〇計実施のポイント
現在の敵との置かれている状況が変わることを見越して先回りしてその状況に適応し敵が後から来ることを待ち構え攻撃します。
〇ビジネスの事例または応用例
ビジネスに応用するためには、現在の状況ではあまり有利な戦いはできず、先行きの変化を前もって競争相手より早く適応しておき先行者優位の状況を作ることがポイントです。
〇孫子のとの関連
軍を進めるのは利益もあれば危険もある。強硬な利を求めた進め方は結果として利を得られない。
軍争は利たり、軍争は危たり。軍を挙げて利を争えば、則ち及ばず。(孫子軍争篇)
〇計の名称
五計
趁火打劫
(ちんかだきょう)ひにつけこんでおしこみをはたらく
〇計の概要
敵の混乱や苦境に乗じて攻撃し、利益を得る。
〇三国志の場面
諸葛亮、南郡襄陽城を奪う
〇場面の内容
呉の周瑜と魏の曹仁、曹洪は南郡のを土地らが取るかでせめぎあっていたが、その隙に蜀の諸葛亮の計りで関羽が南郡の襄陽城を奪い取らせました。
〇計実施のポイント
敵同士が戦いを行っていて、こちらの動きに気づきにくい状況の中で機会を見てこちらの有利な状況を作っていきます。
〇ビジネスの事例または応用例
新型コロナウイルスで対面接触的なセミナーを行う競合に対して非接触的な商品を提案して有利な点を強調していた事例が当てはまります。
〇孫子のとの関連
敵が混乱している時は一気に攻める
乱にしてこれを取り(孫子計篇)
〇計の名称
六計
声東撃西
(せいとうげきせい)ひがしにこえしてにしをうつ
〇計の概要
おとりの行動で敵を混乱させて、無防備なところを別の攻撃で攻める。
〇三国志の場面
白馬の戦い
〇場面の内容
白馬の戦いにおいて袁紹の将軍の顔良が関羽に切られその敵討ちで文醜が曹操を追うが曹操の計で翻弄され曹操軍の張遼と徐晃は文醜に迫るが剛勇の文醜の反撃でたじたじになる。そこにまたしても関羽が現れ文醜は打たれました。
〇計実施のポイント
お互いに相対するとお互いに敵に対する構えが強くなるので、構えを崩すためには見せかけの動きを行いそれに対応して崩れた体制を攻めることが大事です。
〇ビジネスの事例または応用例
武道では良くみられる計です。分かっていても対応せざるを得ず計略にはまってしまいます。
〇孫子のとの関連
敵の無防備なところを攻めて不意を突く
その無備を攻め、その不意に出ず。(孫子計篇)
敵戦計
〇計の名称
七計
無中生有
むちゅうしょうゆう(むのなかにゆうをしょうず)
〇計の概要
無いものを有るように見せて不意を突いて攻撃する。
〇三国志の場面
麦城の戦い
〇場面の内容
呉の呂蒙将軍は荊州攻略に際して病に見せかけ、代わりの大都督も頼りない将軍に代わらせ油断した隙に攻略しようとした。
〇計実施のポイント
応用の仕方として敵とこちらと別の第三者を登場させて敵に攻撃することがポイントです。
先ずは第三者を作る。もしくは登場を待つ。次に第三者が敵に攻撃を仕掛ける。そしてその期にこちらが敵を攻撃する。
〇ビジネスの事例または応用例
LCCは既存の航空会社の高止まりな価格設定に対抗した安価な価格設定をしている航空会社ですが、ピーチアビエーションはANAが出資しておりJALとの競争に優位に立とうとしています。
〇孫子のとの関連
敵との比較において数字が多いほうが勝ち、少ないほうが負けます。ましてや、数字が分からなければ勝つことはできない。
算多きは勝ち、算少なきは勝たず。而るをや算無きに於いてをや。(孫子計篇)
〇計の名称
八計
暗渡陳倉
あんとちんそう(ひそかにちんそうにわたる)
〇計の概要
奇法を用いて敵の不意を突く。
〇三国志の場面
潼関の戦い
〇場面の内容
涼州の馬騰は曹操の計略で殺害されそうになりますが、それを察知し馬騰と韓遂が仲たがいしているように装います。
〇計実施のポイント
敵に対し正攻法な通常な攻撃と見せかけて、奇法によって間接的な攻撃を仕掛けます。
〇ビジネスの事例または応用例
あるビデオ販売チェーンでは30数店になるまで同一の名称を付けませんでした。競合や大手が参入してきたり対策を打たないようにしたためでした。
〇孫子のとの関連
戦いは敵を欺くことです。
兵とは詭道なり。(孫子計篇)
〇計の名称
九計
隔岸観火
かくがんかんか(岸を隔へだてて火を観る)
〇計の概要
敵の内部に乱れが生じている場合、あえて静観して敵の自滅を待つ。
〇三国志の場面
袁紹の死
〇場面の内容
袁紹の死後、跡目を争う袁譚、袁煕、袁尚の兄弟は公孫康を頼るが曹操は袁兄弟を追わず仲間割れを見越して自滅を待ちました。
〇計実施のポイント
この計の要は敵には争いの種があり、こちらから攻めれば敵の争いは止み団結してしまう。だからあえて攻めず自壊を待つのです。
三国志の中では主従の次回よりも君主の兄弟や親戚同士の争いか臣下同士の争いがより激しくなるようです。
〇ビジネスの事例または応用例
業務スーパーは、従来の業務向けスーパーとは異なり業者にも消費者にも販売を行います。これまでは業務向け小売店は消費者には売らないというルールを守ってきましたが、徐々にそのルーは乱れ、あえて消費者に販売するよりも双方に販売する戦略をとっています。
〇孫子のとの関連
最善策は智謀で敵を攻撃することです。
上兵は謀を伐つ。(孫子謀攻篇)
〇計の名称
十計
笑裏蔵刀
しょうりぞうとう(笑いの裏うちに刀を蔵かくす)
〇計の概要
敵に対して最初は友好的に接しておき、密かに攻撃の機会を狙う。
〇三国志の場面
董卓の暴政
長沙の攻防
〇場面の内容
曹操は董卓に仕えていたふりをして董卓の殺害を機会を探していました。司徒の王允の意を知り董卓の殺害を企てますがが失敗しました。
趙雲の軍に攻められた長沙の韓玄は趙雲にかなわないと見るや一旦帰順したと見せかけて趙雲を殺害しようと試みるも失敗しました。
〇計実施のポイント
まずは普段は友好的に接しておきます。そして相手が油断したところで本当の狙いの行動を起こします。
自身は敵の近くにおり敵に敵意を察せることがないようにいかに友好的に行動するかがまずは重要でしょう。
曹操は董卓暗殺に失敗しておりますが、近くにいる分敵意が知られた時の反撃は強いものとなりますのでできるだけ敵と離れなければなりません。
〇ビジネスの事例または応用例
中国企業は他社と契約する際に酒の席を設けます。そこで曖昧な約束を交わしてしまうと後で問題になるケースがあるようです。
〇孫子のとの関連
始めは処女のように後に脱兎のごとく攻めれば防ぎようがありません。
始めはは処女の如くして、敵人戸開き、後には脱兎の如くして、敵拒ぐに及ばず。(孫子九地篇)
〇計の名称
十一計
李代桃僵
りだいとうきょう(李すもも、桃ももに代わって僵たおる)
〇計の概要
部分的な損害を犠牲にし、全体では勝利する。
〇三国志の場面
官渡の戦い
〇場面の内容
官渡の戦いにおいて曹操の兵力は袁紹の10分の1にもかかわらず、自ら出陣して大将の文醜の首を討ちとりました。
〇計実施のポイント
味方の犠牲を払い最終的には勝利する確信がある。またはここで敗退すると決定的な勝負がつくと判断される時にこの計を用いる。
官渡の戦いにおける曹操のこの計は常識的には無謀に見えるかも知れない。しかし、数に奢った袁紹軍と味方の士気の高さなどを考慮したのだと思います。
〇ビジネスの事例または応用例
ビジネスでの応用は交渉においての交換条件で用いられます。こちらにとっては価値が少ないものが相手にとって価値の高いものであれば有益な交渉となります。
〇孫子のとの関連
遠回りの道も近道にさせ、不利な状態を有利にさせることが必要です。
迂を以って直と為し、患を以って利と為す。(孫子軍争篇)
〇計の名称
十二計
順手牽羊
じゅんしゅけんよう(手に順したがいて羊を牽ひく)
〇計の概要
敵の過ちの隙を突き、少しづつ利益を得る。
〇三国志の場面
潼関の戦い
〇場面の内容
潼関の戦いにおいて馬超は雍州の潼関にて曹操を急襲し不意を突かれた曹操は許チョに命辛々助けられた。
〇計実施のポイント
敵の注意が他に向けられていて、こちらに注意が向いていない隙に攻撃します。
〇ビジネスの事例または応用例
ある地域を担当する介護施設は3つの施策により隣の地域を担当している介護施設から従業員と利用者を徐々に集めていきました。決して隣から奪うつもりはなかったのですが従業員のために利用者のためにと自然にやってきたことの積み重ねでした。
〇孫子のとの関連
火水木金土の何が良い訳でなく、日は長くなったり短くなったりし、月に満ち欠けがあります。
五行に常勝なく、四時に常勝なく、日に短長あり、月に死生あり。(孫子虚実篇)
状況は常に変わるので油断せずに状況に気づき一番良い戦い方を行う。
攻戦計
〇計の名称
十三計
打草驚蛇
だそうきょうだ(草を打って蛇を驚かす)
〇計の概要
状況が疑わしい時には偵察を行い、敵の状況を掴んでから行動する。
〇三国志の場面
曹操勢力の拡大
〇場面の内容
曹操は正面では曹操を敬いつつも心の中では献帝についている家臣を気持ちをあぶりだそうとし狩りに連れて行き曹操が献帝に対し無礼な行動をとりその反応を見ました。
〇計実施のポイント
この計を用いる場合は相手も用心して自身の心の内を隠している時に相手の真意を探るために行います。
用心しているために単純な問いかけなどでは嘘をつかれるために相手に嘘をつかせない状況や虚を突くことが必要になります。
〇ビジネスの事例または応用例
代理店に対する資格制度や報奨制度はどれだけ代理店がメーカーに対してロイヤリティがあるかを計る目安にもなります。
余力があるのにもかかわらず協力を惜しむと他のメーカーにも関係を築こうとしているのが分かるからです。
〇孫子のとの関連(諸葛亮の策)
1.十分に戦局を検討し、互いの優劣を計算する。
2.誘いをかけてみて敵の出方を観察する。
3.種々の情報を総合して敵の兵力を算定する。
4.作戦行動を促して敵の布陣している地形の有利不利を掴む。
5.情報を集めて敵兵士の戦闘意欲を知る。
6.小競り合いを仕掛けて敵陣の強弱を判断する。
〇計の名称
十四計
借屍還魂
しゃくしかんこん(屍しかばねを借りて魂を還かえす)
〇計の概要
過去に終わってしまったの大義名分を復活して、正当性を示し目的を達する。
〇三国志の場面
後漢の終焉
〇場面の内容
曹操に滅ぼされた漢の復興を大義として蜀漢を建国します。献帝に禅譲を迫った曹魏を否定し、正当性を主張し、まがりなりにも漢のの復興を果たしました。
〇計実施のポイント
既に忘れられているいるものを活用し優位に立つことを行います。
〇ビジネスの事例または応用例
新しいことを作り上げるだけでなく過去にあったよきものを復活させることを狙うもので、ファッションやインテリア芸術などに幅広く採用されています。
〇孫子のとの関連
勝利は作るものです。敵が多くても戦うことができないようにすることもできます。
勝ちは為すべきなり。敵衆しといえども、戦い無からしむべし。(孫子虚実篇)
正当性もこちらが訴えかけて周知させれば敵が多くとも賊として正々堂々と戦えなくなるのです。
〇計の名称
十五計
調虎離山
ちょうこりざん(とらをあしらってやまをはなれしむ)
〇計の概要
敵を強みから誘い出し、弱みな場所で戦う。
〇三国志の場面
零陵の攻防
〇場面の内容
劉備軍は零陵の劉度を攻めた際に一旦計にはまったと見せかけ籠城していた劉度の兵を外に連れ出し劉度の息子を捕らえました。
〇計実施のポイント
城攻めや敵が有利な状態にある時はそのまま攻撃をしても味方の損害が大きくなることが予想できます。その状況を変える場合に何らかの誘因によって相手の有利な状況から誘い出し攻撃をしやすくします。
〇ビジネスの事例または応用例
ZOZOTOWNは店舗を持つアパレルメーカーに対しZOZOでネット販売させる方法を持ち掛け出品させています。店舗で販売することがメーカーの利益につながりますがネットでの消費者の購入の流れが大きくアパレルメーカーは無視できなくなりました。
〇孫子のとの関連
敵が鉄壁の構えをして優位なのにもかかわらずそこから出てくるのは救わなければならないからです。
敵塁高くして溝を深くすといえども、我と戦わざるは必ず救うところを攻むればなり。(孫子虚実篇)
〇計の名称
十六計
欲擒姑縦
よくきんこしょう(とらえんとほっすればしばらくはなつ)
〇計の概要
敵を捕らえようとするならば、しばらく放ってから捕らえる。
〇三国志の場面
南征北伐
〇場面の内容
南蛮の将孟獲は諸葛亮に七回囚われて七回放たれました。そして八回目に捕まった時に抵抗を辞め降伏しました。
〇計実施のポイント
敵を完全に屈服させること難しく復讐心も起きやすいのですが、自らの意思で降伏させることができれば味方にもなり得ます。
〇ビジネスの事例または応用例
日本亭の傍に出店するほっともっと弁当は競合である日本亭を潰そうとして出店しているのではなく、傍に出店することで全体的な集客力を上げて両店とも売り上げを伸ばしています。この計を意識した時は競合と無理な価格競争をするのではなく交流も図りあくまでも全体のパイを広げることを目指します。
〇孫子のとの関連
敵と戦い殺傷せず勝つのが上策で、殺傷して勝つのがそれに次ぎます。
軍を全うするを上と為し、軍を破るはこれに次ぐ。(孫子謀攻篇)
〇計の名称
十七計
抛磚引玉
ほうせんいんぎょく(れんがをなげてたまをひく)
〇計の概要
こちらにとっては価値のないものを与え、欲しいものを手に入れる。
〇三国志の場面
徐州の攻防
〇場面の内容
呂布は軍師の陳登の計により劉備が治世する徐州への攻撃に打ち勝つことができました。
〇計実施のポイント
この計は自分には価値のないものを相手に与え代わりに自分にとって価値があるものを手に入れます。
〇ビジネスの事例または応用例
条件交渉においてよく用いられるものです。自分にとって価値がないものだからと大事にしないのではなく敵にとって価値があるかないかの視点が重要です。
〇孫子のとの関連
相手を動かすためには利があることを示す必要があります。
諸侯を趨らす者は利を以ってす。(孫子九変篇)
〇計の名称
十八計
擒賊擒王
きんぞくきんおう(ぞくをとらえるにはおうをとらえよ)
〇計の概要
敵の頭を捕らえてその力を奪う。
〇三国志の場面
長沙の攻防
〇場面の内容
関羽の軍はの長沙の黄忠将軍に対峙し高齢なれど猛将と分かったので劉備は調査を陥落させた後に厚くもてなし配下にすることができました。
その後、黄忠は蜀の五虎将軍の一人として漢中の戦いなどで大きな手柄を立てました。
〇計実施のポイント
敵のリーダーはかなり強くこのリーダーがいることで戦局が大きく左右してしまうと予想されます。このリーダーを攻略し場合によっては味方にすることができれば今後の戦いが有利にすることができます。
〇ビジネスの事例または応用例
応用例としては同じ業界内のヘッドハンティングがその一つでしょう。ただし、一定の期間を競合会社の就職を制限している会社も多く、少なくとも仁義を切っておくことが必要でしょう。
〇孫子のとの関連
兵士の中には敗走する者や、弛んでしまう者や、陥る者や、乱れてしまう者や、負けるものがいるがこれは天の災難ではなく将軍の過失です。
兵に走る者あり、弛む者あり、陥る者あり、崩るる者あり、乱るる者あり、北ぐる者あり、およそこの六者は天の災いに非ず将の過ちなり。(孫子地形篇)
混戦計
〇計の名称
十九計
釜底抽薪
ふていちゅうしん(かまのそこよりまきをぬく)
〇計の概要
敵の強みの源を攻撃して、敵の活動を弱める。
〇三国志の場面
官渡の戦い
〇場面の内容
官渡の戦いにおいて途中で袁紹から曹操に寝返った許攸の計で曹操は烏巣を奇襲し袁紹の兵糧の大半を奪い、運べぬ残りは焼き払ってしまいました。
〇計実施のポイント
この計の要はどこに敵の弱点があるのかを知ることでしょう。烏巣に最大の食料があることを知っていたのは軍師の許攸であり決戦の際に寝返ったことは誠に大きな転機であったでしょう。
〇ビジネスの事例または応用例
コンビニエンスストアのプライベートブランド商品は各メーカーの主力商品をプライベートブランド化し価格設定もブランドよりも安く陳列します。それにより利益をあまり落とすことがなく販売価格を抑えることができます。
更にメーカーは利益を減らしますがコンビニエンスストアへの販売量はプライベートブランド商品を合わせると維持できるので従います。
〇孫子のとの関連
有利な戦いを求めると有利もあれば危険もあります。全軍を挙げて急激に進行してしまうと輜重が置き去りになり食料が足りなくなってしまいます。
軍争は利たり、軍争は危たり、。軍を挙げて利を争えば、則ち及ばず。(孫子軍争篇)
〇計の名称
二十計
混水摸魚
こんすいぼぎょ(みずをかきまぜてさかなをさぐる)
〇計の概要
敵に誤った情報を与えて混乱させ、こちらの思う通りの行動を取らせる。
〇三国志の場面
荊州返還の約束
〇場面の内容
孔明が、わざとに複雑な条件を魯粛に伝え孫権と交渉したりすることで、荊州の返還の約束を遅らせました。
〇計実施のポイント
敵に誤った情報を伝えたり複雑な情報を与えた、行動をとります。次に敵を混乱させその隙に攻撃を仕掛けます。
〇ビジネスの事例または応用例
携帯電話会社の価格設定は単純に競合会社と比較してどちらが有利なのかを分かりにくくしたものにしていました。
〇孫子のとの関連
昔から戦の上手い人は、敵を前後に整然とさせないようにさせ、小国と大国が協力しあわないようにさせ、富めるものと乏しいものが救わなわないようにさせ、組織がまとまらないようにさせ、兵が散乱しても集合できないようにさせ、兵が集まっても整わないようにしました。
古の善く兵を用うる者は、能く敵人をして前後相及ばず、衆寡相恃まず、貴賤相救わず、上下相収めず、卒離れて集まらず、兵合して斉わざらしむ。(孫子九地篇)
〇計の名称
二十一計
金蝉脱殻
きんせんだっこく(きんせん、からをだっす)
〇計の概要
あたかも現状にいるように見せかけ、密かに撤退する。
〇三国志の場面
劉備、呉の孫夫人を娶る
〇場面の内容
孫権の妹と劉邦を嫁がせ孫権側の領地に長居させて暗殺の機会を狙う周瑜。仮痴不癲の計で安心させて仲睦まじくなった孫夫人とともに脱出を図りました。
〇計実施のポイント
まず、敵に捕らわれていて抵抗の意思を見せません。次に敵はその姿を見て安心します。そして、その隙を見て行動します。
〇ビジネスの事例または応用例
グローバル企業が租税回避をしてタックスヘブンの国に本店登記するケースがこれに当たります。
〇孫子のとの関連
敵が困っていないのに講和をもちかけるのは謀をしているからです。
約、なくして和を請うは、謀るなり。(孫子行軍篇)
敵の言動を良く観察をすればその真意が見えてくるものです。
〇計の名称
二十二計
関門捉賊
かんもんそくぞく(もんをとざしてぞくをとらえる)
〇計の概要
敵を包囲して殲滅する。しかし注意しなければならない。
〇三国志の場面
界橋の戦い
〇場面の内容
袁紹は公孫瓚を界橋の戦いで破り、それ以来公孫サンは易京に強固な要塞を作り守りを固めていました。
袁紹は199年に再度易京を攻め、援軍要請の書状を手に入れ公孫瓚の裏をかき公孫瓚の自刎させることができました。
〇計実施のポイント
敵が小敵である場合に用いられます。間接的な攻撃によって敵の逃げ道を塞いで逃げ場をなくします。
この計の注意点は、逃げ場を防ぐことで敵を死地に追いやり窮鼠猫を噛むの反撃を注意せねばならないことです。
〇ビジネスの事例または応用例
ゲーム機メーカーは機器専門のゲームを作らせ独占契約を結び他社への販売をできないようにしました。
〇孫子のとの関連
窮鼠猫を噛むの譬えのように敵を窮地に陥らせると徹底的な反撃を予想される。
窮寇には迫ること勿れ。(孫子軍争篇)
敵が逃げ道を開けてもそこを塞いで必死に戦わせる。
囲地には吾将はその闕を塞がんとす。(孫子九地篇)
〇計の名称
二十三計
遠交近攻
えんこうきんこう(とおくとまじわりちかくをせむ)
〇計の概要
遠くの相手と結び、近くの敵を攻める。
〇三国志の場面
袁紹と袁術の戦い
〇場面の内容
袁紹と袁術は異母兄弟ながら互いに反目し、遠交近攻の計を使って袁紹の冀州は荊州の劉表と手を組みます。幽州の袁術は幽州の公孫瓚と手を組みお互いを挟み撃ちにして攻めようとしました。
〇計実施のポイント
実際に立地している競争状態では敵の背後の相手と組むことによって対抗力や注意力が分散され効果が期待できます。
こちららは遠く敵の背後近くにいる者と手を組みます。そのものと申し合わせ近くの敵を攻めます。
〇ビジネスの事例または応用例
航空会社のアライアンスは国内の競合との競争に優位に立つために競合とは異なる外国の航空会社とアライアンスを組みます。
〇孫子のとの関連
隣国と接する土地ではその相手と手を組み敵と協力することを避けなければなりません。
衢地には吾将その結びつきを固くせんとす。(孫子九地篇)
〇計の名称
二十四計
仮道伐虢
かどうばっかく(みちをかりてかくをうつ)
〇計の概要
一時的には敵と結ぶが、後に真の目的を果たすための行動を起こす。
〇三国志の場面
呉の孫権が魏の曹丕から呉王に封建されたものの翌年離反し、再び呉は蜀と呉蜀協和を結びます。
〇場面の内容
呉王
〇計実施のポイント
まず、ある敵と共通の敵がいます。つぎに、共通の敵を攻略するのには一旦敵と協力します。そして、いつの日かその敵を攻めて自身の目的を果たします。
〇ビジネスの事例または応用例
中国企業が外国と合弁会社を作り外国企業のノウハウを吸収し独自で事業ができるとなると、合弁を解消するケースが当てはまります。
〇孫子のとの関連
智者考え方は必ず利害の両方を考えます。有利な時も害を考えますから務めることができますし、害の時も有利なところを探し出しますので心配することがないのです。
智者の慮は、必ず利害に雑う。利に雑りて、而ち務め信ぶべきなり。害に雑りて、而ち患い解くべきなり。(孫子九変篇)
併戦計
〇計の名称
二十五計
偸梁換柱
とうりょうかんちゅう(はりをぬすみはしらをかう)
〇計の概要
敵の強みを崩して無力化し、他者に押し付け味方の立場を優位にする。
〇三国志の場面
麦城の戦い
〇場面の内容
曹操は荊州を守っていた関羽の軍を呉の呂蒙に攻めさせ、呂蒙に殺害させました。孫権は同盟を結び荊州の攻略を持ちかけた曹操に関羽の首を送り、怒りの矛先を向けようとしますが、劉備の怒りは呉に向けられることになりました。
〇計実施のポイント
先ずは相手の強みを受け入れます。次にその強みに対して対抗手段を準備します。そして相手の強みに対する対抗手段を実施し強みを無力化します。
〇ビジネスの事例または応用例
GoogleMapは日本で事業を行う際に日本の地図業者の大手ゼンリンに地図を提供してもらうしかなかった。しかし、その後Googleストリートビューや他のリソースを使うことでゼンリンを外しました。
〇孫子のとの関連
将軍が弱くて厳しさがなく、指示があいまいで、将校や兵士に規律がなく、隊列も乱れているのは混乱している証拠です。
が将、弱くして厳ならず、教道明らかにならず、吏卒常なく、兵陳ぬること縦横なるを、乱と日う。(孫子地形篇)
柱となる将軍が弱いと軍隊も混乱します。
〇計の名称
二十六計
指桑罵槐
しそうばかい(くわをゆびさしてえんじゅをののしる)
〇計の概要
別の相手を批判し、本来の敵に影響力を与える。
〇三国志の場面
赤壁の戦い
〇場面の内容
赤壁の戦いの時に、周瑜は諸葛孔明に糧道を断つように待ちかけるが孔明はそれが企みだとわかり連絡に来た魯粛に周瑜は水戦しか能がないとこき下ろし魯粛がそれを周瑜に伝えると今度は自らが行くと言い出しました。
〇計実施のポイント
孔明は周瑜の弱点を批判していると見せかけて周瑜の企てをかわしコントロールしているのです。同じ人物であっても別の場所を批判することでも可能です。
〇ビジネスの事例または応用例
指桑罵槐の計を行う際には、基本はターゲットが2つあって本来狙っているターゲットとは別のターゲットにアプローチして見せるということです。そのことにより本来のターゲットに影響を与えます。
〇孫子のとの関連
孫子の兵法の将軍の五危の中に、将軍が短気で怒りっぽい場合は、挑発され計略に引っかかるとあります。
将に五危あり、必死は殺され、必生は虜にされ、忿速は侮られ、廉潔は辱められ、愛民は煩わさる。(孫子九変篇)
〇計の名称
二十七計
仮痴不癲
かちふてん(ちをいつわるもてんせず)
〇計の概要
愚者の見せかけて敵を油断させ、機会を待つ。
〇三国志の場面
呉の政略婚
〇場面の内容
劉備は周瑜の謀で孫堅の妹を後妻にする提案を受けます。妹は劉備より三十歳も下でまだ母からの寵愛が強いので孫権側の領地で婚姻してほしいと誘う。謀と知っていたがそれに応じて劉備は向かう。劉備のすきを狙う周瑜。周瑜は贅沢な暮らしをさせて帰りを引き延ばす。その時劉備はこの計を使い周瑜の計にはまったかのように装いました。
〇計実施のポイント
先ずは敵に囲まれてしまうか、あえて敵の中に入り込みます。次に敵はこちらを受け入れているように見せかけ機をみて攻撃しようと準備しているのを察知します。更にあたかも敵の考えを知らない素振りをして何気ない行動をします。そして敵の隙を狙い真の行動を行います。
〇ビジネスの事例または応用例
応用するとしたら社内において強力なライバルが存在しそれに直接の攻撃を受けるとダメージが大きいことが予想されます。そこで対抗意識などなくライバルに注目するまでもないように装います。その警戒心がなくなったところで行動します。
〇孫子のとの関連
敵の体制を分かるようにして味方の体制を隠せば見方はまとまり敵は分散します。
人を形せしめて我形なければ、則ち我専まりて敵分かる。(孫子虚実篇)
〇計の名称
二十八計
上屋抽梯
じょうおくちゅうてい(おくにあげてはしごをはずす)
〇計の概要
敵に偽り唆して逃げ道を断つ。
〇三国志の場面
劉表、没す
〇場面の内容
荊州の劉琦がお家騒動で命を狙われているので劉備に助けを求めますが客人の身の上のために躊躇します。劉備が孔明に相談するように劉琦に伝えその際に貴重な兵法があるからと誘う二階に上がったところで梯子を外し劉琦は孔明に懇願し折れて策を伝えます。
〇計実施のポイント
敵を不利な状況に追い込み、そこから戻れないようにします。そしてそこを攻撃して味方が有利な状況を作ります。
〇ビジネスの事例または応用例
元GEのCEOのジャック・ウェルチはWORKOUTを実行し無駄な仕事を切り捨て成功したらストックオプションで高い報酬が得られる反面で失敗したらアウトを強要しました。
〇孫子のとの関連
兵を率いていている時は高いところに上がってから梯子を外すようにすれば必死に戦います。
帥いてこれと期すれば、高きに登りてその梯子を去るがごとし(孫子九地篇)
敵だけではなく自軍の兵士に対しても同様です。
〇計の名称
二十九計
樹上開花
じゅじょうかいか(じゅじょうにはなをさかす)
〇計の概要
様々な工夫を行えば無勢でも多勢に見せることができる。
〇三国志の場面
劉備、逃避行
〇場面の内容
荊州の劉表が亡くなり跡目争いの中、次男の劉琮は曹操に降伏し、身を寄せていた劉備は江夏に駐屯していた劉琦の元に領民十万人とともに移動しました。それを追ってきた曹操軍に対してしんがりにいた張飛が長坂坡でこの計を使い曹操軍の追撃をかわしました。
〇計実施のポイント
敵は大群で味方は数少ない状況の中で何らかの方法で味方も大群のように見せかけ敵の攻撃をかわします。
〇ビジネスの事例または応用例
応用として、自社の社員は少ないものの外部のリソースを活用し、あたかも多くの人材がいるようにしておき結果として自社を大きく見せることがあります。
〇孫子のとの関連
攻めるのが上手いものは、敵がどこを守ればよいのかを分からないようにし、守るのが上手いものは、敵がどこを攻めればよいかを分からないようにする。
善く攻めるものは、敵その守るところを知らず。善く守るものは、敵その攻めるところを知らず。(虚実篇)
〇計の名称
三十計
反客為主
はんかくいしゅ(客を反して主と為す)
〇計の概要
隙があれば付け込み、敵の中枢をおさえる。
〇三国志の場面
五丈原の戦い
〇場面の内容
司馬懿は曹真などに疎まれ戦いに過失がある度に皇帝に上奏され更迭されたがその場は耐え抜き、孫の司馬炎の代で曹奐より禅譲させる。
〇計実施のポイント
常に従順で二心がないように装います。そして機を見て行動を起こします。
〇ビジネスの事例または応用例
AMAZONはヤマト運輸に対し少しづつ取引量を増やし人件費高騰による料金値上げに対し抵抗を示しました。
〇孫子のとの関連
相手の知る手段を騙して、こちらの考えを分からないようにする。
能く士卒の耳目を愚にして、これをして知ることを無からしむ。(孫子九地篇)
敗戦計
〇計の名称
三十一計
美人計
びじんけいびじんのけい)
〇計の概要
敵の価値あるもので誘って、影響力を強める。
〇三国志の場面
呂布の籠絡
〇場面の内容
司徒の王允が董卓の暴政に嘆き自身の養女の貂蝉を使って一旦呂布に近づき好意を持たせ婚約し、さらに董卓に近づき関係を結び董卓と呂布の中を割くことに成功する。
〇計実施のポイント
古来より英雄色を好むに対しての計です。同じ計は曹丕が司馬懿に対して行い司馬懿の本心を探ろうと考えますが、三国志演義の司馬懿はそれを見通し最後までばれないように振舞いました。
〇ビジネスの事例または応用例
自動車メーカーによる販売店への施策は報奨金などにより量、タイミングなどをコントロールしています。美人とは必ずしも女性ということではなく相手が欲しいものということに置き換えています。
〇孫子のとの関連
利益で敵を誘い出し、敵が来るのを待つのです。
利を以ってこれを動かし、卒を以ってこれを待つ。(孫子勢篇)
〇計の名称
三十二計
空城計
くうじょうけい(くうじょうのけい)
〇計の概要
あえてこちらの弱みを見せることで、疑心を生じさせる。
〇三国志の場面
五丈原の戦い
〇場面の内容
北伐の時に孔明の一万の軍はは漢中の陽平串関に駐屯するがそこに司馬懿の二十万の軍が包囲します。孔明は旗指物を下ろさせ鳴り物を止めさせて四方の城門をあけました。
司馬懿はこれは孔明の作で伏兵が潜んでいるに違いないと考え退却しました。
〇計実施のポイント
先ずはこちらは状況が悪くそのまま交戦しても勝ち目はない状況です。次にこちらが弱みをあえて敵に見せます。そして敵は攻撃しても利益がないまたは謀で騙そうとしているのを疑って回避します。
〇ビジネスの事例または応用例
マイクロソフトに対するOpenSoft.orgはリソースをオープンにして開発の協力者を募り有償の代わりに寄付金でオフィス製品を提供しています。
〇孫子のとの関連
戦いとは敵を欺くことです。
兵とは詭道なり。(孫子計篇)
〇計の名称
三十三計
反間計
はんかんけい(はんかんのけい)
〇計の概要
スパイを使って敵の情報を探り、その情報を基に行動する。
〇三国志の場面
五丈原の戦い
〇場面の内容
司馬懿は諸葛亮との戦いにおいて敗戦の責任を取らされ大都督の座を降ります。自宅に戻って側室の静シュと落ち着いた生活に戻りますが静シュは皇帝側の生間でした。
〇計実施のポイント
敵との間に情報をもたらす者を置き、そのものを利用して見方が有利に働ける情報を入手する。
〇ビジネスの事例または応用例
司馬懿はスパイに情報を取られるどころかスパイをダマし皇帝に敵意がないことを伝えさせていました。
〇孫子のとの関連
敵から送り込まれたスパイを探しこれを利用し逆に誘って優遇し反間として使うことが重要です。
敵人の間に来りて我を間するものを索め、因りてこれを利し、導きてこれを舎し、故に反間を得てもちうるべきなり。(孫子用間篇)
〇計の名称
三十四計
苦肉計
くにくけい(苦肉の計)
〇計の概要
先に弱い立場に見せておいて、敵が信じたところで行動を起こす。
〇三国志の場面
赤壁の戦い
〇場面の内容
蔡瑁の弟の蔡中が曹操の計で周瑜の元に寝返らせ、孫権の将軍黄蓋が周瑜に曹操に降伏すべきと諫言し鞭打ちの刑を受けたと蔡中は曹操に報告する。それを信じた曹操でしたがそれは黄蓋の計でした。
〇計実施のポイント
苦肉の計を実施するためには、相手が警戒しているので通常の作には乗ってこない状況にあるということです。
そのために相手の警戒心を解くために、自身を困難な状況にあることを相手に見せつけます。
それにより相手は警戒心を解いて、そのすきを攻撃するのです。
〇ビジネスの事例または応用例
条件交渉の際に、こちらの窮状を訴えそれにより値引きやより有利な条件を得るのがこの計に当たります。
〇孫子のとの関連
もっともよい勝ち方は謀で勝つことです。
上兵は謀を伐つ。(孫子謀攻篇)
〇計の名称
三十五計
連環計
れんかんけい(れんかんのけい)
〇計の概要
敵に連続して計を行うことで、こちらが競争優位に立つ。
〇三国志の場面
呂布の籠絡
〇場面の内容
漢の司徒の王允は養女の貂蝉による計を使うにあたり呂布に対する美人計と董卓に対する美人計を連環の計で行いました。
〇計実施のポイント
連環の計は一つの計では弱く二つ以上の計を合わせることで協力になる時に有効となるものです。
〇ビジネスの事例または応用例
楽天は様々な既存にある事業を自社のサービスに取り込みポイントをつけることで顧客の囲い込みに成功しています。
〇孫子のとの関連
奇法と正攻法組合せは輪の回転ように連続で終わりがありません。窮められる人はいません。
奇正の相生ずること循環の端がなきがごとし。孰か能くこれを窮めんや。(孫子勢篇)
〇計の名称
三十六計
走為上
そういじょう(にぐるをじょうとなす)
〇計の概要
状況が不利で体制が十分でなければ、一旦退却して時を待つ。
〇三国志の場面
長坂の戦い
〇場面の内容
長坂の戦いで劉備は曹操の軍を恐れ襄陽から撤退し劉琦の元に逃れる。十万の民とともに移動したため騎兵に追いつかれたものの長坂坡でしんがりの張飛の一喝で曹操軍を退かせた。
〇計実施のポイント
今の状態では戦いに勝つ見込みがない。次に躊躇なく退却する。そして機が来るのを待つ。
〇ビジネスの事例または応用例
ユニクロは事前にしっかりと立地調査を行いますが、出店後不採算の店舗は躊躇なく撤退します。
〇孫子のとの関連
スモールスプリング戦略
競争の激しい市場でしのぎを削って消耗するのではなく、小さな泉を作って自分の遺棄場所を作る戦略です。
こちに別のところで解説を致します。