五行市場論による戦略計画
五行市場論による戦略計画とは
五行市場論で五行思想を基礎にどのようにマーケティングに置き換えていくのかを説明しました。
その中で、五行思想は相互に循環していくので互いがバランスをとって調和していくことが基本であると述べました。また、規制の中で事業を行っている市場では五行市場の考え方があてはめやすいともお伝えしました。
しかしながら、競争市場の中の市場で競争している事業ではもっと現実的な戦い方を考えざるを得ません。
もちろん、これまで紹介してきました孫子戦略や三国志経営による三十六計で対処していくのですが、より大きな視点で戦略的に計画を立てていくことをどのように行うかをご説明していきたいと思います。
五行市場による戦略計画では、環境分析、競争位置分析、基本方針立案、戦略と戦術計画立案、戦略実行、戦略の見直しの流れでご説明しようと思います。
戦略計画といってもシンプルさが重要です。以前に中期経営計画を策定していた頃に一つの疑問が湧きました。5年にわたる中期経営計画を策定し1年毎にローリングしていくのですが、その間に環境が変わり見直しの頻度が多くなり別の改革や改善に手が回らない、または経営計画の修正が後回しになってしまったことがありました。
もちろん、マンパワーがあれば並行して行えるのですが当時の私たちにはそれが困難であったことが思い出されます。
そのような経験もあり戦略計画はシンプルで何らかの環境変化があればすぐに修正が利くようにすることを考えています。
環境分析
環境分析は、五行市場の考え方で行います。ここでは五行市場の基本的な説明は省きます。初めての方は、五行市場論をお読みください。
五行市場は市場ごとに作成した方が良いでしょう。例えば、介護業界に提案しているのであればその業界内のプレイヤーを対象として分析し、建設業界に提案しているのであれば、別にその業界内のプレイヤーを分析します。
先ずは五芒星をチャートにして代表となるプレイヤーを特定します。そのプレイヤーの規模をチャートの大きさに反映させていきます。大きさの差は重要なのでチャートの大きさにはこだわらず数字で表記しておくと良いでしょう。そのチャートの脇にメモ欄を置き、五行の現状を整理していきます。
五行の関係
五行の互いの関係には、「相生」「相剋」「比和」「相侮」「相乗」という性質があります。五行市場では「相生」「相剋」を説明しておりますのでその他の要素を説明します。
「比和」お互いが同等な気を持つとお互いが盛んになります。ビジネスに置き換えるとニーズがマッチしていて提案も受け入れやすいということです。
「相侮」とは、逆相剋している関係です。相剋の反対に反剋する関係にあります。侮とは侮っているという意味です。
「相乗」とは、相剋が度を過ぎて過剰になったものを指します。乗とは陵辱するという意味です。
競争位置分析
競争位置分析は、ポジショニングですが考え方は孫子の「十なれば則ちこれを囲み、五なれば則ちこれを攻め、倍なれば則ちこれを分かち、敵すれば則ち能くこれと戦い、少なければ則ちこれを逃れ、しかざれば則ちこれを避く」を競争地位に当てはめるならば十倍の組織はリーダーであり天子と呼びます、五倍の組織はチャレンジャーであり大国と呼びます、二倍の組織はフォロワーであり中国と呼びます、一倍の組織はニッチャーとし小国と呼びます。ただし、数字の比較は必ずしも厳密でなくても良いです。また、一倍のニッチャーは経営資源量は少ないものの経営資源の質は高い企業です。
そうしますと競争位置での攻撃と防御の基本は次の通りとなります。
天子(リーダー)の基本戦略
天子(リーダー)対大国(チャレンジャー)(10:5)は、天子は大国を分かち個別撃破する。大国は個別にならないようにまとまるか連携を強め、場合によっては逃れます。
天子対中国(フォロワー)(10:2)は、天子は中国を攻略します。中国は逃れます。
天子対小国は(10:1)は、天子は小国を囲む。またはニッチな市場ができたならばそれを塞ぎます。
大国(チャレンジャー)の基本戦略
既に述べているもの以外に絞ります。
大国対中国(5:2)大国は中国を分かち個別撃破する。中国は個別にならないようにまとまるか連携を強め、場合によっては逃れます。
大国対小国(5:1)大国は小国を資源量の面で攻撃できる範囲内の攻撃をします。小国は経営資源は集中し顧客に差別化して逃れます。
中国(フォロワー)の基本戦略
中国対小国(2:1)中国は小国の資源量の面で攻撃できる範囲内の攻撃をします。しかし、中国は資源に限りがあるので限定的な攻撃に限られます。小国は経営資源の質を差別化して訴求し良く戦います。
基本方針立案
陰陽思想
基本方針は、陰陽思想を基本に考えます。陰陽とは陰と陽の二気によって物事が混沌とした状態から陰陽に分かれ消長盛衰し、最終的には調和して初めて自然の秩序が保たれるという考え方です。
陽は、剛健的、仁、上、前、明、昼、尊、貴、福等がありポジティブな要素です。陰は、従順的、義、下、後、暗、夜、卑、賎、禍等のネガティブな要素です。
応用
陽を一般的な言葉に当てはめますと、攻撃的、友愛的、率先的、直接的、成長的、順調的、積極的などがあります。陰は、防御的、正統的、追随的、間接的、衰退的、不順的、消極的などがあるでしょう。ビジネスでネガティブなのは好まれませんが、陰陽は循環し必ずしも一気に留まらないと考えます。ライフサイクルのように、または四季のように繰り返すものだと考えますので、自社が現在どの位置にいるのかで方針を選択するように考えます。
陽の基本方針は、どこの市場に対し、またはどのプレイヤーに対し、競争位置の基本戦略を踏まえ、陰陽の基本方針を選択するかを決めていくのです。
(図9)
環境分析のチャート(図8)と比べてみると相生に変化した部分が多くなったとお気づきでしょう。
相生にしていくことが基本方針の目的ではありませんが無理なく循環できるようにしていくことも考慮に入れておいた方が良いと思います。
戦略と戦術計画立案
戦略と戦術の計画はシートを使って作成していきますが、関心がある方はご連絡ください。
また、正攻法や奇法の使い分けについては孫子の兵法戦略の「正奇法の曼荼羅チャート」を活用することですぐに適応できる準備ができます。また、個別の顧客に対する計画は同じく孫子の兵法戦略の販売戦略を活用していきます。
戦略と戦術の実行
基本方針に従って計画を実施していくわけですが、必ずしも計画通りに行くとは限りません。
そこで、孫子の戦略と三十六計の戦術を場面に合わせて適用していきます。二つの内容につきましては別のところで説明しておりますので、ここでの説明は省略いたします。
戦略の見直し
計画と結果に対しての見直しについては、因果心事を活用していきます。これにつきましても既に別のところで説明しておりますので説明は省かせていただきます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
五行市場を活用した戦略計画はポイントさえ押さえれば分かりやすく視覚的ですので、これまでの戦略計画のように作ってお終いにならないのです。
しかも、孫子兵法戦略や三国志経営による三十六計を合わせて活用することでより実践的でどのような状況にでも適用できる選択肢が広がります。
また、組織ならば同じ考えを共有することで実行力を上げることができます。

