孫子兵法戦略による生き残り戦術

ザッケローニの感想

 

 元サッカー日本代表監督ザッケローニが2020年イタリヤメディア記者に語った日本人選手の印象は、クオリティーあふれるがずる賢さが足りないというものでした。確かに、われわれ日本人でも自分たちの国民性の特徴を列挙すれば、勤勉、真面目、正直、誠実、素直などを上げる人は多いでしょう。しかし、私たち一般庶民はなぜこのような特徴をもつにいたったのでしょうか。遡れば江戸幕府が武士や庶民をコントロールするため儒教思想を定着させたことに発端があるように思います。それ以降、日本人の一般庶民は、人を騙すよりかだまされるほうが良いと考えてきました。

 しかし、以前のような国民性の特徴は失われだし、自分さえよければいい、人を騙してでも得することを考える人は増えてきました。例えば、オレオレ詐欺などの犯罪者集団の多くは日本人です。以前あった良心の呵責がなくなった日本人の割合は増えています。彼らたちの考えは一般庶民にも広がる事でしょう。

 

なぜ大河ドラマ「草燃える」は人々に印象を残すのか。

 

 既に権力争いをしていた人々は、日本人の特徴を持ち合わせていません。大河ドラマの「草燃える」はこれまでの長い大河ドラマの歴史の中でも人気の高い作品です。「草燃える」に出てくる登場人物は、皆不誠実な悪人ばかりです。平家に島流しにあって己の復権を探る源頼朝、頼朝を担ぎパワーを得ようとする東国武士、武士からパワーを奪い朝廷の影響を復権しようとする朝廷。パワーを求める人々にとっては元々誠実さは弱さを生むだけであると捉えているのです。

 国民性の特徴を保持すれば保持するほどババをひく確率が増えてきました。薄々、そういった日本の社会の変化を気づいている人は、過去から日本人が持つ特性に疑問を持つことでしょう。でも失われつつある日本人の特性は権力者の都合で庶民に押し付けたものだけでしょうか。

 石田梅岩という江戸時代の思想家がいます。彼は武士階級が持つ儒教思想を一般庶民に普遍化させる考えでした。それだけではなく、最初は押し付けられた思想をわがものとして吸収し積極的に庶民は受け入れていくのです。赤穂浪士の事件は良い例です。赤穂浪士が主君の敵を討つというのは儒教でいう義です。その義は、赤穂の浪士が始めたものですが、義を貫いた赤穂浪士を単なる処罰で終わらせようとした幕府に、庶民は異を唱えました。そして、悩んだ幕府は元の処断を修正して終わらせます。このように、押し付けられた儒教を基にした考えがをブーメランのように幕府に返すにまで至ったのです。

 

自分の環境に置き換えてみれば

 

 容易な職場と困難な職場があります。容易な職場は、正直をモットーとする職場であり、性善説であり、話し合えば解決できる人間たちの集まりであり、前向きであります。一方、困難な職場は欲望を満たすことをモットーとしており、性悪説であり、話し合っても解決できない人間たちの集まりであり、後ろ向きです。

 しかし、この二つの職場はまったく違う世界の職場ではなくすぐに隣り合わせのように変わってしまう近い存在です。その職場の構成員が変わってしまったり、状況が変わることでわが身に起きかねない環境の変化です。

 正直な人間ならば、正攻法で問題に対処することでしょう。しかし、困難な職場では成功法では通用しません。その時に初めて、正直な人間は、無力感を感じることでしょう。そして、あきらめの境地に至るでしょう。しかし、あきらめは性悪説への加担です。悪への加担です。

 正直な人間の弱さは、単純さです。正しいことを訴えれば人は分かってくれる。自分は複雑な駆け引きはしないしできない。騙すより騙されるほうがまし。という、人生観が弱さの根源です。しかし、そのような価値観があるからこそ日本人は治安が良く、お互いが安心して暮らせる社会を作ってきました。

 現実主義者たちは、時に矛盾したことを述べていますが、状況が変われば対応も異なりますので一貫性にこだわらずに参考にすることが必要でしょう。また、例外的な条件もあります。こういう時には逆効果が出てくるので注意が必要だということになります。一つのケースではぴったり当てはまるが別の同じようなケースでは効果がなかったということも出てきます。いずれにしても、自分が行うときには注意が必要です。

 

大切な価値観を守るために手段を選ばねばならない

 

 外部からの圧力によって、これまでの手段を変えなければならない時期に入っていきました。日本人がこれまであった社会を維持するためには、外側の影響力を的確に情報収集して、適切に対処しなければなりません。

 ATOOSでは、同一の価値観をもつ人々に対する方法と違う価値観を持ち敵対する人々に異なる対応をすることを勧めています。同一の価値観のものに対する対応は、心場展開論や論語マネジメント論などです。敵対する価値観を持つものに対しては。孫子兵法戦略や三国志経営による三十六計戦術がありますので、そちらをお読みください。

 しかし、今回のテーマは組織内で生き残る知恵です。外側にいる完全なる敵ではないのです。それゆえに、対応が難しい。それゆえに、様々な配慮が必要です。

 

マキャベリスト達から学ぶ

 

 俗にいうマキャベリストは、現実主義者です。古今東西、現実主義者は存在し多くの主張をしてきました。「君主論」のマキャベッリ、韓非子、バルタザール・グラシアンや戦争の思想ではありますが「戦争論」のクラウゼヴィッツ、「孫子」の孫武などは冷徹に社会や人間を観察し、どのように対処することが重要かを説明しています。

 マキャベッリや韓非子は自分が仕える主君、主人に対し様々な助言を述べています。グラシアンは著述家であったので一般人に向けて。クラウゼヴィッツは陸軍大学校校長という立場なので軍人に向けて。孫子は明らかでないですが後世の戦う人に残そうとしたのではないかと推測されます。

 戦争はなるべく避けなければならない。なぜなら多くの犠牲を払うからです。しかし外交でどうしても解決できない場合はいた仕方なく行うが、それでもよくよく準備し作戦を練って勝つことが明確な時に戦うと孫子は述べています。その戦い方は、正法と奇法を組み合わせ敵がこちらの出方が分からないようにすることを重要視しています。

 スポーツも同じように、フェイントを仕掛け、裏を突き、相手の陣形を崩し、こちらが良い流れの時に攻め、こちらが悪い流れの時には守り、こちらの強みを活かし、相手の弱点を突き、勝機を待つのです。

 

組織内の人間関係の要素

 

 バルタサル・グラシアンは主人(上司)、他人(関連の少ない人々)、友人(同僚)、敵(ライバル)、他人、相手(部下あるいは庶民)という言葉で使い分けています。

 マキャベリスト達の意見を参考にするために、①一番下の階層にいる時、②ライバル同士で競争している時、③中間管理職で上下に挟まれている時、④社長や上級管理職にいる時の4つに分けて説明していきます。

 

一番下の階層にいる時

 

自身の位置が階層の一番下にいる時には、マキャベリスト達は先ずは自分自身を知るいうことを勧めます。

 

バルタサル・グラシアン:

 外見の欠点を補う。努力。欠点のないこと、

才能を最大限に伸ばす。おのれの優れた能力を認める、

自分の弱点を補強する。自助の精神を貫け、

自らを律する。おのれ自身に対する敬意を失ってはならない、

怒りと動揺を自制する。平静さを失うな、

自分自身を観察すること。低劣な気まぐれに流されるな、

激情を制御する。怒りのあり方。できるかぎり理性的な思慮によって低俗な激昂に対抗さ せるべきだ、

欠点の是正。おのれの主要な欠点を知るべし。

特性を伸ばす。優れた特性を持つ男

孫子:

敵を知り己を知れば百戦危うからず

 

また、他人を知る事も重視します。

 

バルタサル・グラシアン:

人間 の 内面 を 見抜く。 人 に だまさ れる な

欠点の目録を作らない。あらゆる物事の中で美点にめぐりあう術

相手を満足させる。他人の気質を熟知せよ

万物 を よく 観察 する どの よう に 出現 し て こよ う とも 事物 を その 性質 に 逆らっ て 取り扱っ ては なら ない

顔つきを読む。人は相手の精神状態を知らなければならない。

人間観察の重要性。吟味する術を心掛けよ

 

そして、他人には自分の目的を知らせてはいけないと忠告しています。目的を知らせてしまうと考えや行動が読まれてしまいます。考えや行動が読まれてしまうと、相手や敵が自分の目的達成のために利益で釣ってきたり、利害が対立するとこちらの目的を阻止したりします。

 

バルタサル・グラシアン:

手の内 の 全て は 見せ ない。 おのれ の 企画 は 曖昧 に せよ

 

そのためには、まり多くを語るなという注意が必要です。多くを語るとそこから隠れた目的のヒントが出てしまうからです。

 

韓非子:

部下より先に口を開いてはいけない。君主が謎めいていなければ、大臣たちは次々につけ入る隙を見出すだろう。

 

バルタサル・グラシアン:

発言 は 慎重 に 会話 に際して は、 おのれ 自身 に 注意 せよ   相手 が ライバル の 場合 には つけ込ま れる こと の ない よう に する ため、 他 の 者 の 場合 には 礼儀 を 保つ ため だ。

口を閉ざす。抑制こそ賢者のしるし

ほどほどに 賢明 振る あまり はっきり 発言 する な

 

だけれども、見えないものは存在しないに等しいので、組織の中で存在感を示す必要があります。

 

バルタサル・グラシアン:

自分自身をすぐに明らかにしないでいれば、周囲は期待をつのらせる。すべての事に、少しの謎を織り交ぜよ。

 

言葉よりも行動が大事といいます。言葉は誤解されやすく、また誇張されたりもします。

 

バルタザール・グラシアン:

才能 は 実績 で 示す。 おのれ の 幸運 を 自慢 し ては なら ない。

真実は総じて目から入ってくる。耳から入ってくることはない。

言葉 は 食べ られ ない 。口舌 の 徒 と 仕事 の 巧者 とは 違う

行為と言葉。言動相俟って卓越した人物を作る

害のある人間と付き合ってはならない

つき合う 人 を 峻別 する。 害悪 を 避け、 いや な こと から 逃れる のは、 実 ある 賢智 で ある

自ら を 傑出 さ せる 自分 を 陰 の 存在 に 引き込む よう な 者 の 仲間 に なっ ては いけ ない

別れるべき相手。愚者と交際してはならない

 

宮本武蔵:

「うつる」ということは何事にもある。眠りなどもうつり、あくびもうつる。時もうつる。五輪書

 

下にいるということはまだ敵に対しての攻撃力がないのだから、降伏して時を待事も必要です。そして反撃の機会をうかがうのです。

 

マキャベッリ:

戦いで敗れたら外交で勝て、(少ない損害で譲歩で済ませようとしても)結局は戦いを避けることができない。なぜなら譲歩しても相手は満足せず、…より多くを奪おうとするからである。

 

三十六計:

笑裏蔵刀しょうりぞうとう(笑いの裏うちに刀を蔵かくす)

 

バルタザール・ グラシアン:

忍耐 強く 時間 に 耐える。 待て、 いつ までも 待て

 時 を 待つ。 不幸 な 日 も ある こと を わきまえよ

 

そして、能力のすべてを見せるな忠告します。

 

バルタザール・グラシアン:

自分 の 全て を 他者 に 見せ ない 。状況 に 応じ て 行動 する こと]]

 

ライバル同士で競争している時

 

組織内の地位が上がってくるとライバルとの戦いが激しくなってきます。そのためには駆け引きが多くなります。そのためには、敵や相手を利益で動かことで戦いをこちらに有利にしていきます。

 

バルタサル・グラシアン:

 洗練 さ れ た 欲望 操縦。 術 他人 の 欠乏 を 利用 する

 

耶律楚材:

耶律楚材はチンギス・ハーンが中国全土を皆殺しにして馬を放牧する更地にしようとしたが、中国文化のすばらしさを評価していたので生かして税をとったほうが良いと進言して実行させた。耶律楚材はハーンの貪欲さに訴えた。

 

ここでいう友とは仲間なのですが、マキャベリスト達はその友を使って情報を得よといいます。

孫子:

故に名君知将の動きて人に勝ち、功を成すことに衆に出ずる所以のものは、先に知ればなり。先に知るは鬼神に取るべからず、事に象るべからず、度に試すべからず。必ず人に取りて敵の情を知るものなり。用間篇第十三

 

三十六計:

反間の計

 

しかし、その友には用心しろともいいます。なぜなら、今日の友も明日の敵になるかもしれません。

 

毛沢東:

毛沢東は日本を敵として戦うが同胞の国民党との戦いが共産主義政権を作った。しかし、その間に党内部での権力争い、整風運動などが熾烈を極めた。

 

バルタサル・グラシアン:

親愛なる関係の行く末。愛と憎しみをいつまでも持ちづづけるな

 

友でなくとも、人の手を動か展開を有利に持ち込まなければならない。

 

バルタサル・グラシアン:

巧妙 なる 責任 転嫁。 責任 を 負わ せる 術 を 心得よ

贖罪の代行者を持つ。誰かに失敗の責任を取らせよ

害悪を隠蔽する。一つの愚行から他の愚行を生じさせてはならない。害悪より有害なのはその害悪自体を隠蔽できないことだ。

 

エジソン:

商業や工業の世界では、誰もが盗みを働いている。私自身も多くのものを盗んできた。だが、私は盗み方を心得ている。

 

韓非子:

良い馬と頑丈な馬車が使えるなら、単なる奴隷でも十分に動物がつかまえられる。

 

時には、壮絶な戦いでは燃え残りを残すなともいいます。敵を力を残すと時間を経て反撃してくるかもしれません。

 

平清盛と源頼朝:

平清盛は保元の乱で源義朝に勝利するが子の源頼朝の命までは取らなかった。その後、源義経、東国武士の力を借りて平家を滅亡する。

 

マキャベッリ:

人はささいな侮辱には復讐しようとするが、強力な攻撃には復讐する気が失せる。

 

クラウゼヴィッツ:

1812年、ナポレオンは敵の首都モスクワを半分占拠する大成功をしたが、ロシア軍を殲滅することができなかった。そのために講和に持ち込むことができず、戦争全体としては失敗であり、最初の大成功を無駄にした。

 

しかし、こういう見方もある。勝ち過ぎるな引き際が大事だ。先ほどのように敵を絶滅させるのは現実の組織では可能性は低い。退職でもさせない限り、敵は組織に残る。

バルタサル・グラシアン:

 身 を 引く べき とき。 人 は おのれ が 日没 の 太陽 の よう に 悠然 と し て いる と 思っ ては なら ない

 

攻撃する相手を見きわめろ。敵を見きわめる目も必要です。一生をかけて復讐してくる相手に攻撃し勝利してしまうと、その後今度は守勢に立たされます。

 

草燃える:

NHK大河ドラマの登場人物であります伊東祐介は、東国武士らに騙されて北条政子の奪還役になりますがその恨みから源頼朝、北条家に対して対抗してきます。

 

敵もこちらの情報を集めています。自分をバカに見せことによって手の内を隠したり、敵に誤った行動をとらせることもできます。

 

バルタサル・グラシアン:

バカ を 演じる。 愚か さの 利用 法 を 心得よ

 

中間管理職で上下に挟まれている時

 

ライバルとの戦いに勝って地位を上げても、上司より目立ってはいけないマキャベリスト達はといいます。上司から見るとこちらは力をつけた将来の敵に見えてくるのです。そのためには、目立たないようにすることです。

 

草燃える:

義経は頼朝の言いつけを守らず朝廷より簡易を受けてしまった。それにより謀反として討伐された。

 

三国志:

司馬懿は曹操に才能を認められるも決してひけらかすことなく、自分の意図を隠した。

 

バルタサル・グラシアン:

暗愚に見せる賢明さ。上司に勝つことをさけよ

つまり、上司や敵に狙われてはいけない

 

マキャベッリ:

うっかり本当のことを言ったときにはたくさん嘘をついてそれを隠す。

 

バルタサル・グラシアン:

主流派に従う。全員とともに愚者でいる方が孤立した利口者である方が良い

 

逆に、上司や部下の弱みを見つけろ

 

バルタサル・グラシアン:

相手の急所をおさえる。万人の親指締めねじを見出すことが大切だ。

 

既にライバルに勝っているのだからまったく愚かに見せることはできません。できることは、完璧な従順な部下を演じよということです。

 

韓非子:

人主にもまた逆鱗あり。説難

 

バルタサル・グラシアン:

賢明に吟味すべきこと。よき使用人を用いること

 

上や下から攻撃されるからといって、身を守るために孤独になるな。さもないと、孤立してしまいます。孤立したものは攻撃されやすいのです。

 

マキャベッリ:

すなわち、外敵より人民のほうを恐れる君主は砦を築かなければならないが、人民よりも 外敵のほうを恐れる君主は砦なしで済ませなければならない。

 

バルタサル・グラシアン:

孤立を避ける。品位の許すかぎり他者と協力せよ。

 

孫子:

これ十をもってその一を攻むる。すなわち我はおおくして、敵はすくなし。

 

そのためには、味方づくりが必要です。そのためには、他人を自分に依存させろということです。

 

マキャベッリ:

君主は、 愛さ れる よりも 恐れ られる ほう が はるか に 安全 で ある。

 

バルタサル・グラシアン:

満足させないほうが良い。従属にも理由がある。

 

これはこの中間管理職で上下に挟まれている時だけではありませんが、綿密な計画を立てることが必要です。

 

クラウゼヴィッツ:

現在よりも先を考え、感じ取ることができる人などはほとんどいない、いたとしても例外である。

 

バルタサル・グラシアン:

巧妙なる戦術を暴く。ある時は第二志望、ある時には第一志望の意図に従って行動せよ

 

計画を行動に移し、相手にこちらが有利に働きかける時は、選択肢が決め手だ

 

マキャベッリ:

国家の指導者たる者は、必要に迫られてやむを得ず行ったことでも、

自ら進んで選択した結果であるかのように、思わせることが重要である。

 

一旦行動に移す時には、大胆に行動せよ

 

マキャベッリ:

女 と 同じ よう に、 運命 は 若者 の 友 なので ある。 なぜなら、 若者 という のは あまり 慎重 ではでは なく、 より 荒々しく、 より 大胆 に 女 を 支配 する もの だ からで ある。

 

行動は、タイミングこそすべてだ。機会を逃してはいけない。

 

バルタサル・グラシアン:

タイミングを計る。依頼のしかたをわきまえよ。

 

しかし、小物に扱われるな。小物に扱われると信用、評判が落ちてくる。周りの力を利用するためには小物にみられてはならない。

 

バルタサル・グラシアン:

断り方を熟考する。拒否のしかたをわきまえよ。

暴君には注意せよ。融通無碍であれ。賢明に離反することによって、孤立している有様を悟らせる。

評価されなくてもがっかりしない。世の中の半分は、あとの半分を笑いものにする。

有力者並みの振る舞い。何人もおのれの特性を生かせば、王様のように堂々と振舞うことができる。けっして空威張りしたり横柄な態度をとったりせず、真底から気品がある態度をとるべきだ。

他人の尊敬が宝。他人に憎まれるな。

 

小物に見せないためには、小さなことに手を出すな。小さなことに手を出すから小物に見えてしまう。

 

バルタサル・グラシアン:

忘れ られる こと は 忘れよ う。

 

完璧さは親しみをおぼえず。周囲の人から支持を受けなければならない。

 

バルタサル・グラシアン:

時には自分の性格の当たり障りのない欠点を見せてやろう。

 

 

社長や上級管理者層にいる時

 

名声の効果をつかえ。上に立てば注目される。その注目は、名声という形で伝搬されていきます。

 

マキャベッリ:

自らの武力を持っていなければ、どんな国も安泰ではない。自ら実力をもたない権力者の名声ほど、当てにならないものはない。

(悪い評判がついたものは)、その評判を消したいと思うからなお、君主のために精を出すようになる。

君主たるもの、ケチだという評判を恐れてはいけない。

 

コルネリウス・タキトゥス:

名声は鼻であしらえ。そうすれば、評判が上がる。

 

視覚で人は尊敬したり恐れたりする。よってその効果を活かすことを知っているものは、コントロールできる。

 

マキャベッリ:

人々は相対的に観掛けで判断する傾向にある。つまり君主はひたすら軍事力をつけて国を維持し続ければよい。そういう外見が、大衆の評価を動かすのである。

民衆はうわべの立派さに幻惑され、自分の破滅を追求する。

人は予測不能なものには、常に怯えてしまう

 

韓非子:

賢明な君主は、どこにも存在していないように見えるほど神秘的であり、誰にも正体がつかめないほど不可解である。

 

三十六計:

わざと狂気を装って油断させ。可能性を探る。仮痴不癲

 

孫子:

敵の虚を突け。虚実篇

 

ローマの子育て:

悪い子にしていると、ハンニバルが来るよ

 

人は信じたいという欲求を持つ。ならば与えよ。

 

バルタサル・グラシアン:

 説明 し すぎ ない。彼ら は 理解 でき ない もの を 神秘 として ありがたがり、みんな が ほめ て いる と 聞い た から ほめ て いる に すぎ ない。

 

真実は幻滅させ幻想は苦しみを隠す

 

マキャベッリ:

人間は精神的に非常に単純であり、当面の欲求のみ支配されがちなので、悪賢い人間は騙してくださいと言わんばかりの多くの人々のなんなく見つけることができる

 

力ではなく心理を利用して抵抗を和らげよ

 

韓非子:

ひそやかな願望や不安を注意深く見抜かなければ、君主の心を射抜くことはできない。

 

諸葛亮:

心を攻めるを上策、城を攻めるのを下策とし、心を戦わすのを上策、兵を戦わすのを下策とす。孟獲との戦いにおいて

 

孫子:

勝率100%は最高の勝ち方ではありません。戦わないで敵を屈服させるのが最高の勝ち方です。

 

誠実な行動は疑いを解く

 

老子:

奪いたければ、しばらく与えよ。

 

韓非子:

奪おうとするときは、先ず与えよ。

 

バルタサル・グラシアン:

親切 を おまけ に つける   何 を する にも 親切 を おまけ に つけよ う。 そう すれ ば 恩 を 売る こと が できる。

 

大きな変革は抵抗にあいやすい。人は基本的には保守的なのだ。だから、変革は小さく行わねばならない

 

バルタサル・グラシアン:

親切 は 少し ずつ 頻繁 に 行う 。   そう し ない と、 相手 は 借り を 返し きれ ない と 考え て、 あなた から 去っ て いく だろ う。

 

相手はこちらの手を身構えているかもしれない。そうした時は、時には混乱させて操れ

 

三十六計:

相手を混乱させ、それに乗じて相手を操る。混水摸魚

 

上に立つものは、軽々しく人前に出ない。あるいは軽々しく行動しない。

 

バルタサル・グラシアン:

自分 の 全て を 他者 に 見せ ない。 状況 に 応じ て 行動 する こと

 

この世のものは、かたちがないものが強い

 

宮本武蔵:

心をまん中におきて、心を静かにゆるがせて、其ゆるぎのせつなも、ゆるぎやまぬやうに、能々吟味すべし。五輪書 水の巻

 

孫子:

軍を組織する上での極意は、無形に到達することだ。

 

最後に

 

 日本のプロレスの草創期で活躍した木村政彦という人物がいました。柔道家であり、13年連続で日本一となり無敗のまま柔道を引退しました。その後、米国に渡り当時人気を博していたプロレスを日本に力道山(日本プロレス)、山口利夫(全日本プロレス)らと日本に持ち込みました。(木村 国際プロレス団)

 違う団体ながらプロレスを盛り上げるために最初は協力し合うのですが、日本プロレスが好調な一方他の団体は低迷していきます。そして、木村は起死回生を狙い力道山らと日本選手権を行うよう働きかけます。「木村真彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也著には、当時、力道山は既に名声が大きく人望があった木村に嫉妬し、引き分けに終わるように約束したことを反故にしだまし討ちのように力道山が勝利します。実力では上だったといわれる木村に対し力道山は自分のプロレスを守る戦いだったのです。これはプロレスの中の組織における生き残り戦術です。しかし、この戦略を使う代償がある可能性があります。力道山はその後刺殺されます。

 この戦術は積極的に勧めるものではなく、どうしても価値観を守るために行うときの戦術です。闘戦経にあるよう「勝てば仁義おこなわる」です。正しい価値観を行うためには戦いに勝たねばならないのです。くれぐれも取り扱いに注意しなければなりません。