常為兵感驚楽による提案行為

以前のところで大分流比因人が提案行為への応用の方法について説明しました。最後にこれは必須の構えであり、状況に応じて使い分けが必要であるともお伝えしました。
大分流比因人の提案行為は必須であるがこれからお伝えする常為兵感驚楽は状況に応じて使ったり使わなかったりするということです。
無常、無為、無兵は考え方であり、実際の言葉は有感、有驚、有楽ですのでそのつもりで考えてください。
それでは具体的に説明していきましょう。また、常為兵感驚楽の説明は以前しておりますのでここでは最小限にとどめます。

提案行為においての無常とは相手は常に変化するのでそのつもりで対応しなくてはならないということです。
例えば願望は常に一定ではなく変化するかもしれません。「流」で時が変われば願望はなくなってしまうこともあります。
また、「比」でお伝えした競合との比較でも競合の商品が変わってしまっているかもしれません。
さらに、「人」でお伝えしたタイプ分けも相手の役割や状況が変わればタイプも変わる可能性があるのです。

変わらないことが前提ではなく変わることが前提です。

提案行為でいう無為とはやり過ぎないということです。問い過ぎない。説明し過ぎない。決めつけ過ぎないということです。
問い過ぎてしまうと例えば内向的思考優位な相手は、問われることのプレッシャーを感じることがあります。この人はなぜ多くの質問をするのかを考えるからです。
外向的感情優位な相手に問う側の関心事の問ばかりし過ぎると嫌われてしまうことがあります。こいつは自分の好きなことばかりをする嫌な奴だと思うからです。
説明しすぎるのもいけません。説明は常に願望に対して短く的確でなければ相手の記憶に残すことはできません。
私の指導論の中で「短伝」という考えがあります。短い言葉に言葉で相手に伝えることで指導する相手の記憶に残し行動を変えようという考えです。
反対に長い言葉は相手の記憶に残らないばかりか、良いことを説明されても嫌がられることすらあるのです。
決めつけ過ぎないことも重要です。無常とも関係するのですが、人は決めつけがちな傾向があります。例えば、初対面の人と会話する場合に最初はその人のプロフィールを問うことが多くあります。
しかし徐々に問いは少なくなくなっていきます。問う側にとって最初は情報の少ない不安定な状態を情報を加えて安定化させていく。その後決めつけることが多いのです。いわゆるレッテル張りです。

提案行為でいう無兵とは時間やリソースをかけ過ぎないということです。
提案する側は契約を確実にしたいがあまり提案術自体を引き延ばす傾向がある場合があります。しかし、一度関心を示したものは関心が覚めてしまうことがありますので時間をかけることは有効ではありません。
時間をかけて提案書を作るのも自己満足です。できれば口頭で済ませたいものです。提案行為における資料を作成する意味は、相手が提案に対して時間をかけて決めたいと思っている。
または、関係者に意見を聞く上で資料が必要だと考えている。上司に決裁を仰ぐ上で資料が必要と考えているからです。時間をかけなくて済んだ時間は他の提案に振り向ければよいのです。
リソースをかけないことも重要です。時間もリソースですが提案行為をしている側の関係者を巻き込む場合もリソースと考えます。しかし、これは報連相をしないことを勧めている訳ではありません。
提案者が提案能力が低いと自ずから周りのリソースを必要とします。しかし時間をかけ過ぎる傾向があるといつまでも周りのリソースに頼りがちになってしまいます。
その結果周りから飽きられ関心をなくされいざ必要になった時に活用できなくなってしまうのです。

提案行為でいう有感は感じていることを相手に伝えることです。関心を示す。同感していることを伝える。感想を伝えるということです。
相手は自分の話に関心を示されているが分かった場合に悪い気持ちがしないでしょう。
実際の行動として、うなづく、あいづちを打つ相手をよく見て話すなどです。基本的なことなので説明はいらないでしょう。
同感をしていることを伝えることは相手に近づく強烈なメッセージです。同感は相手が共感を生み好意が生まれます。

例えば「よくわかります。私も同じ気持ちです」などと返します。

感想を伝えることは理解を確認する意味で行います。理解が異なると提案行為が相手の願望と食い違ってきてしまいます。できるだけ感想を伝え食い違いを防ぎましょう。

例えば「つまり、簡単に運動ができるものが欲しいということですね」などと返します。

提案行為でいう有驚とは意外性を加えるということです。相手は提案行為に対し今だけの事だけではなくその後を想像します。基本的には良いことなのですが、時には想定の範囲で収まっていることが関心の低下を生み出すことがあります。
これは脳の構造に理由があるようです。脳は新しい情報を見た時にだけ中脳領域が活性化すると言われております。
話は変わりますが、起承転結という話のストーリーの構成法があります。もともとは漢詩の構成法ともいわれております。その中の転というのは基本的にそのストーリーに変化を与えることによって結論を効果的に向かわせようとするものです。
昔から人は新しい変化に関心を寄せていたのかもしれません。
このことを前提とすると商品そのものやパッケージや提供手段を変えていく必要があります。常に新しいものだと認識させ相手の中脳領域を活性化させましょう。
しかし、新しい変化が相手の即購買につながっていくわけではないでしょう。相手には「人」で説明したようにタイプに分かれています。例えば内向的感情優位な人は安全性を重視することもありますから、新しい情報に反応してもすぐに行動を起こしてくれないでしょう。
でも古い情報のままだと見向きもしてくれないでしょうから、意外性をもたすことは重要です。

最後の項目の提案行為でいう有楽とは前向きなことを最初と最後に伝えるということです。提案行為の始まりと終わりに伝えます。
最初と終わりに前向きな言葉で伝えることで提案行為を受け入れさせそして承認させることができます。

例えば最初は「これからこのようなお話を一緒にしたいと考えます。このことはお客様にとってどのような効果があるかを見極めることができます。いかがでしょうか?」

例えば終わりは「これまでのお話でお分かりのようにお客様にとって価値あることがお分かりになられたのではないかと思います。いかがでしょうか?」

最後に

いかがでしょうか?
常為兵感驚楽が提案行為の中で生かされるイメージが付いたのではないかと思います。提案行為はお客様との共同作業です。
お客様の興味を引き最後に行動させるためには相手の意欲を起こさせなければなりません。そのためには常為兵感驚楽の要素が必要になってくるのです。